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待降節第4主日:挫折の多い自分史の中で、それでも、小さい輝きを大事に

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待降節第4主日(C年)の説教

2022年(C年)説教の年間テーマ=「弱き者を救う神」

待降節第4主日(C年)の聖書=ルカ1・39~45

2021年12月19日

「拉致家族会 飯塚さん退任」「後任 横田拓也さん」。北朝鮮による拉致被害者家族会は11日、東京都内で臨時総会を開き、代表の飯塚繁雄さん(83歳)の退任と家族会事務局長の横田拓也さん(53歳)が就任することを決めました。(南日本新聞2021年12月12日朝刊)

想像を絶する拉致被害者家族会の苦難の歴史

飯塚さんは11月から入院中でした。めぐみさんの父・滋さん(昨年6月に87歳で死去)と2代続けて健康上の理由で代表を退く事態となりました。被害者の帰国を待つ家族の高齢化が進んでいる現実が改めて浮き彫りになってしまいました。

北朝鮮による拉致被害者家族連絡会は、1997年(平成9年)3月25日、北朝鮮による日本人拉致事件の被害者である家族と親族らによって結成された団体。通称は家族会。日本人拉致問題の早期解決、拉致被害者の全員帰国を求めて、各地での署名運動や講演、日米政治家への働きかけ等を行っています。

家族会は、1996年9月、朝日放送の石高健次氏によって「金正日の拉致指令」が出版されたことにあるといえます。韓国に亡命した元北朝鮮工作員の証言をもとに取材をつづけ、日本人拉致事件に関する情報を公にしたのです。1997年初頭、北朝鮮の工作員だった安明進氏の証言が出て事態が動き出しました。そうしたとき、横田めぐみさん事件が実名で大々的に報道され、拉致問題への関心が急速に高まったのです。

すでに結集を決意していた有本恵子さんや新潟県・福井県・鹿児島県のカップルなどの家族が、同じ被害家族として力を合わせようと決意を固めていました。その家族に横田家も合流し、横田滋氏がその代表となり、今後の活動などについて話し合いがなされました。場所は、東京の竹芝桟橋の「アジュール竹芝」、集まったのは、横田めぐみさんの両親をはじめ、7家族12人でした。翌日、家族会は国会内で記者会見を開き、家族はそれぞれ身内の被害者の写真を手に持ち、横田滋会長が代表して「私たちの息子や娘たちを返してください」と集まったマスメディアに訴えたのです。この日から、家族会による警察庁、外務省への救出要請や署名・陳情・請願活動が開始したのでした。(ウキペディア)

思えば、拉致事件は、想像できないほどの出来事です。めぐみさんは1977年11月15日に拉致されたといいます。彼女が13歳・中学校一年生の時です。父・滋さんの誕生日の翌日にあたります。それから44年が経ちます。人間的に考えますと、とうてい起こるはずもないと思われるような残酷な歴史を、被害者家族は未だに体験させられているのです。

イスラエル民族も絶望の誘惑が絶えなかった

歴史上、イスラエル民族もさまざまな体験を積み重ねています。神の約束と相反する悲惨な出来事をいろいろと体験するのです。神の約束は、ひょっとして嘘ではなかったのかと思わせるような辛い悲しい状況に追いつめられるのです。その間、イスラエルの民自らの怠りによる自業自得ともいえる状況に、自らを追いやってしまうこともありました。

次から次へと起きる絶望への誘惑は、神は存在しているのだろうかと疑わせるに足る出来事の連続なのです。何年も、何十年も、何百年もじっと忍耐の連続です。果たして「これってなんだ」と言いたくなるような、愚痴りたくなるようなことばかり。

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今の自分を振り返ってみるとどうでしょう。こうした状況の中でいつも明るく元気に、その上、楽しく希望し続けることができるでしょうか。虚無的になり、自暴自棄的になってしまうのではないかと思わせます。それほどに気が遠くなってしまう年数期間なのです。しかも、人間的な慰めやささえが、すべて剥ぎ取られてしまっている状態です。やはり、愚痴が出てくるのではないでしょうか。

家族会、イスラエル民の苦悩に自分を重ねて

今日の福音書の中で、「主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう」と、エリサベトはマリアを称えます。イスラエルの民が、神が約束してくれた救い主を、長く、待ちくたびれた時を過ごす中で、ひたすら純粋に神の約束を信じ、祈りながら待っていた「おとめ」がいたのです。その方がマリアです。マリアは、国土が外国の軍隊に侵略されて踏みにじられ、頼みの神殿が破壊されても、目立つことなく、そして、失うことなく信じ続けたのです。

拉致家族会の新代表横田拓也さんは「代表が変わっても全拉致被害者一括帰国を求めることに変わりはない。このハードルは下げない。国際連携の手を緩めず、声を発し続ける」と述べています。飯塚さんも先の10月、岸田首相との面会で「数えきれないほど総理が代わり、全く動きがなく残念だが、絶対に諦められない」と訴えています。

待つ、耐えるを学び「光」を求めて歩みたい

その長さは違っていても、「待つ」「耐える」という点においては、イスラエルの民にも家族会のみなさんにも、共通する生の体験です。並べて比較すべきではないのでしょうが、暗く、悲しい歴史の中で、一条の光を求め、信じて進むことができるのは、これまた神の力です。わたしの思い、ことば、行いにおいて、神の力は何ですか。

日常のなんでもない普段の営みの中で、そこに気づき、動きましょう。信じることをさらに深め、高めていく力となります。小さくてもきらりと光るものを求めて、・・

 

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