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年間第33主日:「その時」の唯一の救いの道⇒謙虚に満ちた神への信頼

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年間第33主日(B年)の説教

2021年(B年)説教の年間テーマ=「新しい いのちの輝き」

年間第33主日(B年)の聖書=マルコ13・24~32

2021年11月14日

わたしたち人間が生活しているこの地球。本当は今に始まったことではないのでしょうが、にわかに、深刻な問題が大きく叫ばれています。

気候変動対策を話し合う国連の会議/COP26

それは、国連の気候変動対策の会議・COP26で、地球温暖化による「異常気象」ともいえる各国、地域における豪雨による洪水の発生、大規模な山火事等、さらなる地球温暖化や人の命にかかわる大きな問題が、これからも広がっていくとの危機感を共有し、具体的なルールを作成・合意していくことが求められているという、実に全人類共通の課題です。

この度の交渉会合の注目ポイントは、パリ協定の実施に必要なルールへの合意でしょう。パリ協定とは、2016年11月4日に発効された2020年以降の気候変動の問題に関する、国際的な枠組みです。

また、COP26議長が掲げる重点課題にも注目です。議長は気温上昇を1.5℃に抑えるために、⑴石炭の段階的廃止の加速 ⑵森林破壊の削減 ⑶電気自動車への切り替えの加速 ⑷再生可能エネルギーへの投資奨励を重視しています。また、自然保護のための適応や気候変動対策への資金も一つの重要な目標として掲げています。

「対岸の火事」ではない、生活に関わる問題

しかし、これらはCOPの議題ではないので、締結国による交渉会合は行われませんが、COP決定文書に含まれる可能性が高いといえます。(IGES WEB解説)

今、世界中で異常気象が相次ぎ、現状の取り組みでは海面の上昇といった、温暖化の深刻な影響を抑えきれないと警鐘を鳴らす報告書も公表され、対策を進めなければ取り返しがつかない事態になるとの認識が広がっています。この時に、COP が開催されたのです。1995年以降、毎年開いて話し合いを重ねているとはいえ、まさに「この時」なのです。

わたしたち人間の日々の生活にかかわっている会議なのです。「対岸の火事」として見過ごすことはできないのです。

その日、その時とは、どのような「とき」か

「その日、その時は、誰も知らない」とイエスは、今日の福音書の中で言われます。誰も知らない「そのとき」とはどのような「とき」なのでしょうか。

「そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。そのとき、人の子は天使たちを遣わし、地の果てから天の果てまで、彼によって選ばれた人たちを四方から呼び集める」と言われています。さらに続けます。「あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、人の子が戸口に近づいていると悟りなさい。はっきり言っておく。これらのことがみな起こるまでは、この時代は決して滅びない。天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない」と。

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地球の終わりの時、あるいは宇宙全体の終わりの時を告げていると考える必要はないでしょう。聖書のメッセージはあくまでもわたしたちの心に訴えようとしているからです。

むしろ、日頃から、わたしたちの支えとなっているものが、すべて破壊されるのだということが、メッセージとして言われています。それらが消え去っていくのです。つまり、天と地の一切が過ぎ去っていく現実に目覚めなさいとの訴えです。呼びかけです。わたしたちが日ごろから楽しく、安心安全に生活していた現実、信頼に満ちた人間関係、わたしたちを温かく包み込んでいた憩いの場がすべて、もろくも崩れ去るときがくるのです。このことを自覚、意識して今を生きていますか、とのイエスからの呼びかけです。そして、わたしたち一人ひとりの心の奥が、醜さや弱さが明らかにされていきます。「そのとき」とはこのような時なのです。

支えがなくなり、ひとりで神の前に立つとき

わたしたち一人ひとりにとって、助けてくれるものは何一つなく、神の前に立ちます。そこでは、自分の過去を否定することもできず、ましてや、取り消すことなどできるわけがないのです。こうした状況の中で、わたしたちに救いはないのでしょうか。というのは、「これらの小さな者が一人でも滅びることは、あなたがたの天の父の御心ではない」(マタイ18章14節)とイエスはわたしたちに知らせてくれています。また、「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう」(マタイ11章28節)と、わたしたちをお招きになっているのです。

このような招きをしているイエス。「この時」に至って、自分の人生をやり直すことなど無理です。目先のごまかしもできるわけがないのです。しかし必ずや、救いの道が備えられているはずです。神のあわれみに出会えるはずです。そこで、わたしたちに求められている何かがあるのでしょうか。

主が翻意することはない、信頼の心こそ大切

あるとすれば、それは、神のあわれみに対する「謙虚な信頼の心」を豊かにすることです。イエスはわたしたちをお招きになっているのですから・・。だからこそ、「この時」になって、主が思いを翻すはずはないのです。

日頃から謙虚さと素直さをもって、自分のダメさ加減を、醜さを、小ささを、ありのままに神のあわれみの前に差し出すことでしょう。最後は、神のあわれみに対して、謙遜と信頼を表明することでわたしたちに救いの道が開けてきます。

地球上に生きるわたしたち皆にも、「その時」があるのです。それを逸したらいけません。しかも、それは全人類に関係すること、時なのです。地球温暖化対策は「今」がその時です。

この瞬間(時)を逸することのないように、元気に生きている今から訓練を重ね、機が熟する最高の「そのとき」に救いを勝ち得ましょう。「その時」は最高の一回きりの「救いの時」なのです。

「天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない」からです。

 

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