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復活節第2主日:復活は、人の感覚を超えた世界に気付かせる神の恵み

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「神への道標」

2018年説教の年間テーマ「神への道標」

復活節第2主日(B年)の説教=ヨハネ20・19~31

2018年4月8日

報道で読む保育士をめぐる厳しい状況

「保活全滅」「離職考えた」「保育士10人退職」「休園困った」等、最近の保育所の実態に関する報道が、次から次へと紹介されています。(讀賣新聞大阪本社、2018年4月2日、3日朝刊)さらには、結婚している保育士(女性)の妊娠の順番を、園長が決めている園があるという報道も、テレビのニュースで聞きました。先進国としての日本で、こと、人のいのちとその育ちに関しては「後進国」ではないかと投稿している保護者がいらっしゃいます。

人が考え、行動することに完璧はあり得ないし、いつも完全に正当であるという保証もありません。だからこそ、それぞれの分野で専門的に研究し、活動している方々の力添えはいつの時代も必要です。しかし、今、その人たちの働く場がなくなっているということはゆゆしきことといわざるを得ません。

その理由にはいろいろなことが考えられるのでしょうが、大事なことは、一人ひとりの命とその成長がかかっているということです。基本的には親御さんが「子育て」の主役を果たすのでしょうが、諸般の理由から、助け合いが求められることが優先されるとすれば、協力し合える体制づくりは、どうしても欠かせない重要案件になります。

自治体は、保育士確保に懸命の助成策!

保育士確保へ自治体が一生懸命になっている情報も同時に紹介されています。読売新聞社の調査によりますと、取り組みの内容で最も多かったのは「家賃の補助」で、「給料への加算」、「貸付金」と続いています。東京都渋谷区は、区内の認可保育施設などに勤める保育士が区内に住む場合、月10万円まで家賃を補助しています。沖縄県浦添市は、県外から市内の公立保育所に3年以上勤める場合、渡航費や生活費として計100万円を支給しています。

また、金銭面以外の支援に取り組む自治体も多くあります。埼玉県朝霞市、京都府京田辺市などは、「保育士が市内の保育所に子どもを預ける場合、優先的に利用できる」や、「(資格を持っているが働いていない)潜在保育士の復職支援」といった内容があります。こうした取り組みにもかかわらず、今後、政府が幼児教育・保育の無償化を進め、保育需要が高まれば、保育士不足に拍車がかかること必至です。

今、自治体の中でも小さな、人口が少ない地区は、町の存亡をかけた必至の対策に悩まされています。総体的な人口の減少と地区外への人口流出を止める手立てがないように見受けられます。そのうちに、考えられないことですが「日本沈没」とならないでしょうか。しかし、現実には、信じられないことが、小さなことから、脈絡がないと思われるところから始まっているといえないでしょうか。

プラスの現象は、人に元気と希望を与える

結果として、マイナスの現象が現れるのはいただけませんが、プラスの現象は、逆に、わたしたちに元気と希望を与えてくれます。人としての、個人としても共同体としても、大きな変化、成長をもたらしてくれます。それがイエスさまの「復活」です。

トマスにとって「復活」は大きな驚きだった

今日の福音では、そのことが如実に語られているようです。トマスを中心に話が展開していきます。今日のトマスの驚きは、人であればごく自然な反応かなと思います。「そんなことが起こるわけがない」「わたしはその手に釘の跡を見、自分の指をその釘の跡に入れてみなければ、決して信じない」との宣言は、逃げ隠れして、傷ついていたトマスにしてみれば、常識人間としての典型的な姿を見せているといえます。今のわたしたちはどうでしょうか。「自分たちの手で葬った者が生きかえった」と言われたならば、どのような反応をするのでしょう。

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人間の感覚からしますと、唖然として自らを見失うのではないでしょうか。「まさか、そんなことが、・・」と否定してしまいそうです。平穏な時は「信じます」と口で表明しながらも、いざ究極な試練の場面に遭遇してしまうと、いつの間にか、信仰者ではない素振りをしてしまうのです。このような体験を繰り返しながら、「信仰者」としての自分が固められていきます。

信仰は常識を超えた世界に気付くことから

弟子たちもそうでした。トマスは、イエスさまの受難を前にして「ともに死のう」と豪語したのですが、いざその場になってみると、そうできなかった自分に失望し、一人雲隠れしてしまいました。深く傷ついていたのです。そのトマスに主は近づいていきます。そして、トマスに復活したご自分を確かめさせます。トマスは「わが主、わが神よ」と告白します。人間常識の世界を超えた世界に気付かされたのです。

ものごとを見る視点が変わることで、本物にたどりつきます。現実の問題も同じでしょう。問題の根に気付きたいですね。人の育ちの問題はどこに根っこがあるのでしょうか。今こそ心の目を見開き、一人ひとりが新たな視点に出会っていきたいです。

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