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四旬節第3主日:イエスの「神殿を三日で建て直す」が意味するものは?

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四旬節第3主日(B年)の説教=ヨハネ2.13~25

2015年3月8日

message-eyecatch2先日、友人が遠方より訪ねてきた折に、長崎から流されてきたキリシタンの方々の墓に、久しぶりに詣でました。長いご無沙汰でした。古い墓地ではありますが、その墓石にはしっかりと十字架が刻まれています。鹿児島のこの地で、厳しい弾圧の中から逃れてきた自らの信仰を、「しるし」に託して表現したのでしょうか。今の時代の墓の「十字架」とは意味合いが違うのかなと思ってしまいました。

今日の福音では、イエスさまが神殿で商売をしている商人たちを追い出す場面が登場します。そして「わたしの父の家を商売の家としてはならない」と厳しく言われ、追い出すのです。神殿が持つ宗教性が否定されていることにお怒りになります。つまり、宗教の世界にも、商人根性が忍び込む余地はいつもあるのです。そのことをイエスさまは言われます。確かにお金は必要なものです。しかし、用心しないと致命的な落とし穴ともなっていくのです。そのうち、宗教家というより、事業家としての感性が自ずと育っていきます。

教会堂にしましても、宗教行事にしましても、いくら金をかけたかによってその値打ちが決まるわけでもなく、それらを追及するのも的外れな発想と言わなければいけないのではないでしょうか。それをイエスさまはおっしゃっておられるような気がします。現代の私たち信仰者への呼びかけも含まれているようです。

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「この神殿を壊しなさい」「神殿を三日で建て直す」という言葉が意味するのは何でしょうか。ユダヤ人にとって神殿は信仰の中心であり、建立までに46年もかかったと自負したくなるのも当然です。人々は自らの罪のあがないのため、自分の最も大切なものをこの神殿で捧げてきたのでした。それを「壊せ」と言われます。

一方で、「建て直す」は、「復活する」とも訳されるようです。そこで、今後は、エルサレムの神殿に替わって、イエスさまの体が神殿になり、ご聖体になってわたしたち一人ひとりの中に入られるということでしょう。つまり、一民族の宗教から脱皮し、世界民族の宗教になっていくことの宣言であるといえないでしょうか。

現代の私たちにとって、信仰は個人から始まり、「輪」となって広がり、民族を超えて、いたるところに信仰共同体が誕生していきます。「商人根性」の先に神を見るとするなら、それはいつしか滅び去っていきます。本来の神ではないからです。 今日の福音は、イエスさまが当時のユダヤ人とのやり取りを通して、今のわたしたちに何を語り掛けておられるのかに気づきたいと思います。それは、・・。

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