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年間第15主日:種は蒔かれた場所によって育ち方が大きく変わる

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 年間第15主日(A年)の説教=マタイ13.1~23

2011年7月10日

神のみことば

当たり前のことですが、ところ変われば、慣習も変わるものです。その意味では、いろいろなところを訪問し、そこで実際に生活してみることは、大きな成長のためにプラスになることであると思います。また、時の流れの中で、同じところにいても移り変わりがあります。そして、この「変化」は必ずわたしたち人間の育ちに影響を与えます。

かつてフィリピンで生活していたころ、2週間ほど一人旅をしたことがあります。その時一番変わったことは、英語がわかるようになってきたということです。日本語をまったく使わないので、英語に集中できたからでしょうか。英語で考えることもできるようになりました。驚きでした。

ビコール地方に行ったときの話です。あるところにさしかかったとき、道路上に何かが敷かれていました。よくみると、籾殻がついた米がゴザの上に置かれていました。車の重みで殻を取るフィリピン式(?)脱穀機でした。これまた驚きの光景です。

今日の種まきのたとえ話を聞きますと、日本人としては奇異な感じがします。日本のお百姓さんは首をかしげるかもしれません。日本では、まず土地を耕してから種まきをするからです。

ところ変わればやり方変わる、で、当時のパレスティナでは逆でした。耕さずにまず種を蒔いていたようです。したがって、蒔かれた種自体はみな等しい生命力を持っていたはずですが、蒔かれた土地のあり方によって、種の生育に大きな違いが出てきます。

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それと同じように、イエスさまが語る福音の言葉(種)にはすばらしい豊かな生命力があるのに、それを受け止める人の心の状態によって実りが違ってきます。だとすれば、イエスさまの為さることが徒労に終わってしまうこともありうるということになります。

それでもいいんだといわれます。無駄に終わろうとも、それでも、人の哀れさに向き合おうとされます。だから、語り続けられるのです。ここにイエスさまのやさしさと愛があります。できることならば、こたえてほしいとの思いもおありでしょう。

イエスさまが語るみことばが、「わたし」の中で大きく育つように、今までの自分と違った「ところ」に身を置いてみましょう。新たな自分が見えてくるかも、・・・。

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