『復活節第5主日』の聖書と説教はこちら

本田哲郎神父訳聖書「小さくされた人々のための福音」を読んでみたら

この記事は約4分で読めます。
小さくされた人々のための福音

小さくされた人々のための福音

日本人が普段手にする聖書は、日本語に訳された聖書のはず。

日本語に訳された聖書は、カトリック教会では新共同訳とフランシスコ会訳が主流であり、私の手元にもこの二つがある。ミサで採用される朗読聖書は新共同訳なので、私の場合、普段はもっぱら新共同訳聖書を使っていて、新共同訳聖書のことばが理解しにくい時、視点を変えてみるべくフランシスコ会訳を参照する、という使い方をしていた。

貧しい人たちは、神からの力がある

そんなおり、たまたま「小さくされた人々のための福音」(本田哲郎神父訳・新世社刊)に出会い、読んでみて驚いた。まさに、タイトル通り小さくされた人々の視点で訳されていたのだ。

「貧しい人たちは幸いである」ということばにずっと違和感があり、訳が間違えているのではないかとの思いを長く抱いていただけに、本田神父の「貧しい人たちは、神からの力がある」という訳は私にはすんなりと受け入れることができる。

新共同訳ルカ6・20
「貧しい人たちは幸いである」
小さくされた人々のための福音ルカ6・20
「貧しい人たちは、神からの力がある」

聖書はギリシャ語の原典から各国語に訳されるはずだが、訳によってこうも違いが出るものだとは!目からうろことはこのことか。

ルカ6・17、20~26を併記してみると

2月17日(年間第6主日・C年)のミサで朗読される福音はルカ6・17、20~26。この箇所を新共同訳と小さくされた人々のための福音を併記してみると、以下の通りになった。

新共同訳 小さくされた人々のための福音
〔そのとき、〕6・17イエスは十二人と一緒に山から下りて、平らな所にお立ちになった。大勢の弟子とおびただしい民衆が、ユダヤ全土とエルサレムから、また、ティルスやシドンの海岸地方から来ていた。 6・17イエスは弟子たちと一緒に山を下りてすそ野のところに立った。そこにはイエスの弟子である民衆と、ユダヤ全域およびエルサレム、ティルスやシドンの海岸地方からの民の群れがいた。
20さて、イエスは目を上げ弟子たちを見て言われた。
「貧しい人々は、幸いである、神の国はあなたがたのものである。
20イエスは弟子たちの方に目を上げて、こう言った。
「貧しい人たちは、神からの力がある。
神の国はあなたたちのものである。
21今飢えている人々は、幸いである、あなたがたは満たされる。
今泣いている人々は、幸いである、あなたがたは笑うようになる。
21今、飢えている人たちは、神からの力がある。
あなたたちは腹いっぱい食えるようになる。
今、苦しみに泣き叫んでいる人たちは、神からの力がある。
あなたたちは笑えるようになる。    
22人々に憎まれるとき、また、人の子のために追い出され、ののしられ、汚名を着せられるとき、あなたがたは幸いである。 22人々があなたたちを憎み、差別し、とがめだて、また、あなたたちを『人の子』の仲間だということで、邪悪なものとして追放するとき、あなたたちは神からの力を持つのだ。
23その日には、喜び踊りなさい。天には大きな報いがある。この人々の先祖も、預言者たちに同じことをしたのである。 23そのときには、喜びなさい。こおどりしなさい。天では、あなたたちの報いは大きいからだ。この人々の父祖たちは、同じことを預言者たちにやってきたのだ。」
24しかし、富んでいるあなたがたは、不幸である、あなたがたはもう慰めを受けている。 24「しかし、金持ちのあなたたちには、なげかわしいことだ。
あなたたちは願ったことをもう手にしている。
25今満腹している人々、あなたがたは、不幸である、あなたがたは飢えるようになる。
今笑っている人々は、不幸である、あなたがたは悲しみ泣くようになる。 
25今、満腹している人たち、あなたたちにはなげかわしいことだ。
あなたちは飢えるのだ。
今、笑っている人たち、あなたたちにはなげかわしいことだ。
あなたたちは死別の哀しみに泣くことになる。
26すべての人にほめられるとき、あなたがたは不幸である。この人々の先祖も、偽預言者たちに同じことをしたのである。」 26人々がこぞって、あなたたちをよく言うとき、あなたたちにはなげかわしいことだ。
この人々の父祖たちは、同じことをにせ預言者たちにやってきたからだ」。

訳の違いというか、その実りの豊かさを全く意識してこなかったのは迂闊だった。

本田神父さんは、「小さくされた人々のための福音」のはしがきで以下のように書いておられる。

・・・・略

みなさんが、お手持ちの聖書をひもとくとき、あわせて、この「小さくされた人々のための福音」を開いてみることによって、多少なりとも、福音理解に役立てていただけるなら、幸いです。

・・・・略

本書がみなさんの福音理解と実践のための一助となることを、心から願っています。

  2000年2月3日

大阪・釜ヶ崎にて
フランシスコ会司祭 本田哲郎

826ブログ
シェアをお願いします!
この記事を書いた人
yaziro

このサイトの運営者yaziro(ヤジロー)➡ カトリック教会のこと、デジタルのことに関心を持つ iPhone 好きジイジです。
最近はWordPress、Line、Web会議システム、YoutubeやOBSの活用法に没入中!
yaziroの名は、1549年聖フランシスコ・ザビエルを鹿児島に案内してきた薩摩の人・ヤジローにあやかっています。

yaziroをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました