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主の昇天:各自がキリストの証人であることを意識させる『目覚めの祝日』

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主の昇天(C年)の説教

2022年(C年)説教の年間テーマ=「弱き者を救う神」

主の昇天(C年)の説教=ルカ24・46~53

2022年5月29日

応用行動分析(ABA)を生かした子育て支援の話

子どもを取り巻く環境が、いつもいい状態であることはすばらしい事であると思います。いい状態で大きく成長していくことは、ひいては自国のより豊かな、大きな財産になるからです。同時に、それは将来、より広い分野における世界中の人々への奉仕に発展していきます。したがって、子育て支援の多様性を活かし、子ども自身の成長、未来の姿を想定し、配慮しないとすれば、それはとても残念なことではないでしょうか。「想定する」といっても、大人のわがままを押しつけるのではなく、子どもの成長に関する、あらゆる分野における研究成果を、そのために参照することができるのです。

しかし、子どもに関する様々な催しものは企画されますが、イベント倒れになってはいないでしょうか。つまり、「定例行事」を消化するだけに終わってはいないかという心配をしてしまいます。いわゆる「成長プログラム」の継続性が保たれないのです。「打ち上げ花火」で終わってしまっているのでは、・・。

ところで、応用行動分析<Applied Behavior Analysis=ABA>をご存知でしょうか。

「心理学」では、目に見えない「心」を理解しようと、さまざまな形で研究が発展してきました。そのなかのひとつに、行動に着目することで相手の心を理解し、子どもの支援に活かすために、行動分析という考え方があります。(中略)ABAでは、<子どもの行動>だけではなく、行動の<きっかけ>と<結果>に注目することで、子どもに対する理解を深めていきます。

(児童発達支援スタジオそら)

去る14日に、鹿児島市役所にて、応用行動分析(ABA)を生かした子育て支援について、理解を深めるシンポジウムが開催されています。

できない原因を探すより、改善策に目を向けよう

ABAは、個人の行動を個人自身の問題と捉えず、よく観察して意図的に環境を変えることで行動変化を促す理論です。鹿児島女子短大の今村幸子助教(特別支援教育)は、ABAの効果や教育実践を紹介。食事をとらない子どもにたいして単にるのではなく、一口でも食べられれば共に喜ぶような環境づくりが大切と強調。「できない原因を探すより、改善策に目を向けよう」と呼び掛けています。

学生の参加者・鹿児島女子短2年生で、保育士を目指す山下亜優さん(19歳)は「子どもたちの小さな変化に気づき、肯定することの大切さを学べてよかった」と話しています。

子どもの少子化が深刻な問題として取り挙げられて何十年が経つでしょうか。その対策はといえば、刹那的な、その場しのぎの政策に明け暮れしたのではないかと、いつも残念に思ってきました。ABAの取り組みは、今までに発想されていなかったかもしれない分野からの開眼・開発、動きではないかという気がします。長年研究してきた「子育て」「子育ち」のマンネリ化から目覚める契機になればという気がしています。

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826村のテーマは、インターネット教会(電子教会)の研究です。

今、人口減少という、もっと深刻な現実に直面せざるを得なくなりました。大げさに言えば、ある有名な誰かがつぶやいていました。「日本国はそのうち消え失せ、存在しなくなる」と。現に、地方に行きますと人口の減少に伴い、町が村が消滅しているのです。人がいないということは、すべてが滅びししまいます。「人間性」そのものも失われていきます。

起居を共にした弟子たち養成は、新たな段階へと

今日は主の昇天の祝日です。イエスが地上での仕事を終えるとともに、新たな教会の姿が生まれる日でもあります。今まではイエスは弟子たちと起居を共にしてきました。肉眼でイエスをとらえることも、耳でその声を聞くこともできました。イエスの存在を肌で感じ、触れてその現存を確認することができたのです。それが、これからはできなくなります。イエスが彼らの前から去っていったからです。

さらに言うなら、弟子たちは、これまではすべて受ける側でした。これからはそれもできなくなります。つまり、いつどこでも教えを受け、励まされ、慰められてきました。イエスは何でもしてくださったのです。これからは、それをイエスはきっぱりと拒絶なさいます。弟子たちに転換を促すのです。天にあげられる前に、新たな使命を託すのです。「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。エルサレムから始めて、あなたがたはこれらのことの証人となる。」と。

信仰者には意識、発想の転換を促し、命じている

わたしたち人間にとってやっかいな問題の一つは「マンネリ化」です。自分ではどうにかしようともがきますが、なかなかです。今日の福音でイエスは、弟子たちを通して、わたしたち人間、信仰者に意識、発想の転換を促し、命じているのだと感じます。それは「イエスの証人」となることです。今まで受け身だった弟子たちに、受けたものを与える側にまわれと言われるのです。人間が生活しているすべてのところまで行って証ししなさいと。

現代の社会の中でも、子育てにおいて、ABAの取り組みが新天地を開き、もっと子ども自身の成長の枠を広くとらえ、個性ある豊かな子育てを目指すきっかけに期待が膨らみます。別の表現がゆるされるならば、この取り組みは日常の生活現場で、教育現場で、誰もが体験でき、推し進めることができる分野です。

イエスが弟子たちに促し、命じているのも、日常の生活現場での意識転換であり、誰もが取り組めるものです。今のわたしたちに対しても命じられていることでしょう。

主の昇天は、わたしたち一人ひとりの生ぬるい生き方から、キリストの証人であることを意識させる目覚めの祝日です。

 

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