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四旬節第4主日:小さな破片の中に本当の宝物は潜んでいます

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四旬節第4主日(B年)の説教=ヨハネ3.14~21

2012年3月18日

主との出会い

今、子どもたちから大人の実年層にいたるまで、幅広く読まれているコミック誌(漫画)が話題になっております。そのタイトルは「ワンピース」といいます。この作品は日本の漫画家、尾田栄一郎氏(熊本市の出身)の作で、モンキー・D・ルフィ少年の旅物語であります。つまり、大海賊を夢見て航海に出ます。旅先で出会う人々を仲間に引き込み、夢を実現していくのです。この物語の中でキーワードになっている言葉、表現があります。

それは、「仲間、感謝、弱さ、助け合い、お世話、ありがとう」というような言葉です。あるこの漫画の大ファンの方が、シリーズで東北の被災者の中学生に送ったそうです。その少年も“ピース”の大ファンだそうです。あらためて読み返して、「今まで気づかなかった大事なことに目が覚めました」ということです。それというのは、「これまでの生活は恵まれていたのだ。たくさんの支えをありがとうございました」という現実を感じることができたというのです。

こうした背景にあるのは、弱い自分を感じることができる人には、他者の存在が自分にとって「ありがたい」と思えるということです。なんでも自分はできるといって、すべてを自分の功績にしてしまうとき、人間は排他的になっていきます。冷酷人間になっていきます。血の通い合う温かい人間関係をつぶしてしまいます。

「神は独り子をお与えになるほど、この世を愛された」(16節)というイエスさまのことばは、神のほうからの人へのかかわりを宣言なさることばです。つまり、わたしたちは神から先に愛されているということです。この現実を、わたしたちは日常生活の中でどのように受け止めているのでしょう。また、ニコデモは何を感じ取ったのでしょうか。「要らぬお世話よ」と思うのか、「ありがたい」と感じるのか、その差は大きいです。

四旬節第4主日:神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された
四旬節第4主日(B年)の聖書=ヨハネ3・14~21 〔そのとき、イエスはニコデモに言われた。〕 「モーセが荒れ野で蛇を上げたように、人の子も上げられねばならない。それは、信じる者が皆、人の子によって永遠の命を得るためである。

また、その人が置かれている環境によっても感じ方は異なります。イエスさまと対話したニコデモが、その後どう反応したのか何の記述もありません。しかし、自らイエスさまを訪ねたニコデモだから、イエスさまの話しの内容に対して「ありがたい」と思ったに違いありません。さらに、今まで生きてきた自分の生活に感謝できたのではないでしょうか。

「あなたがなさっておられるあのようなしるしは、神がともにおられるのでなければ、だれにもできないからです」という宝物の秘密、ワン・ピース獲得を目指してイエスさまのもとに来たからです。小さな破片の中に本当の宝物は潜んでいます。

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