2016年の【灰の水曜日】は、2月10日(水)。間もなく灰の準備の季節だ。
「灰」「作り方」「カトリック教会」をキーワードにして検索からこのサイトに来てくださる方がチラホラいるようなので、ここ数年私が関わっているカトリック玉里教会(鹿児島司教区)での灰の水曜日に使う灰の作り方を紹介したい。
因みに、この作り方は玉里教会で典礼委員を長く務めてこられたK先輩から教えていただいたことを基本にしている。K先輩がこの記事をもしご覧になって違うところがあった場合は、後輩世代が少しアレンジしている!と笑っておゆるしくだされば幸い。
2~3週間かけて枝の回収
灰を作るためには、まず、灰にするための枝の回収が前提。
玉里教会では灰の水曜日の2~3週間前から呼びかけて、枝を回収している。枝とは、前年の枝の主日(受難の主日)に全員に配った枝のこと。
日本ではソテツの枝を使っている教会が多いと聞くが、玉里教会ではかつての主任司祭(イタリア出身)が司祭館横に植えたオリーブの木が立派に成長しているので、もう10年以上そのオリーブの枝を使用している。
枝の回収のために以前は箱を利用していた。最近は程よい大きさの竹かごが見つかったので、聖堂入り口の目立つ場所にこのように竹かごを置いて回収している。
※写真撮影時のかごの置き場所は、『聖書と典礼』を置いてある台の手前で、一段低い台の上。
以前の主任司祭は、「燃えるものであれば、枝だけでなく使わなくなった信心用具なども持ってきても良い」と言っておられたが、枝以外のものを実際に持って来られた方は、わたしが知る限りいない。
しかし、葬儀で知り合った信者でない方から『亡くなった家族が使っていた教会用具をどのように扱えば良いか分からない』と信心用具の後始末についての相談を受けることが時々あるので、そうした方々に寄り添うためには何らかの方法を考えるべきだと思っている。
灰作り作業・実際の手順
灰作りは外で、火の用心を念頭に。
1年に一度しか出番がない専用のコンロの中にオリーブの枝を入れ着火。前年の枝は完全に乾燥していて勢い良く燃えるので、適量を何回かに分けて入れること。
コンロの下に敷いてある白いシートは、関係のある内装業者さんからいただいた住宅内装用の壁紙の端材。燃えたらどうする?
そう考えればシートは敷かなくてもいいのかもしれないが、各家庭の祭壇で大事にされてきた枝を燃やすのに、地面にヂカ置きのコンロではチョット?ということで。
もし、気になるようならシートの上にブロックを置いてからコンロを載せる方がいいかもしれない。因みにこのコンロは鉄製で二重になっていて、これまで下のシートに火が移ったことはない。
また、すぐ近くには水栓があり、火の用心はしっかりしている。
火が消えた後の手順と片付けまで
- 枝が全部燃え尽き、炎が落ちたらコンロが冷めるのを待つ
- コンロが冷めたらスプーンもしくはお玉で灰をかき集め
- 灰を濾す—-園芸用のフルイか茶こしを使用
- 細かな灰だけを適量ガラス器に盛り、ラップをかけて祭器室へ
- 残った灰と粗い灰はゴミに出すのではなく、植栽の根元へ散布
- 使用機材を所定の場所に保管
- 完了
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玉里教会の灰の典礼は午後7時から
玉里教会の灰の水曜日のミサは、例年通り午後7時から。
1月10日に行われた司牧評議会では典礼開始時間の確認に続いて、灰作りはその前の日曜日=2月7日に行いたいとのことだった。
司牧評議会とは、カトリック鹿児島司教区共通で小教区に設置されている主任司祭の諮問機関で原則として毎月開催される。主任司祭の求めに応じて、小教区の宣教司牧に関する重要事項について協議する。メンバーは主任司祭と信徒役員、班(小教区内に設置された地域単位の組織)の正副班長および主任司祭が必要と認めたもので構成され、任期は2年。
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